第4回続 今泉 賢人 「三郷ジュニアユースの思いで」

Jr Youth時代の思い出
今泉 賢人
私の三郷ジュニアユース時代はだだのサッカーバカでした。
本当にサッカーが好きで毎日サッカーの事だけを考えて日常を送っていました。中学のサッカー部にも所属しており、6時半過ぎから朝練を行い、練習がない日は放課後も部活に参加し、自分の足りないところを補うようにしていました。
基本的に週4回(火水土日)が三郷ジュニアユースの活動でしたが、水曜日のスクール(現アドバンス)、金曜日のキッズスクールにもサポートとして参加していました。その為ほぼ毎日サッカーができるといった環境でした。
私の家はサッカーの環境も恵まれており、テレビではいつでもサッカーがやっているチャンネルがあり、オフの日はサッカーの試合を観るといった事が習慣となっていました。
一方学業では私の中で2つの決まり事を作っていました。1つ目はオール3以上取ること、2つ目は体育で5を必ず取ること。
1つ目の理由は、私が三郷ジュニアユースに入ったときの目標が鹿島学園に全特待で入る事でした。私の先輩でも鹿島学園に行っている方がいて、色々な話を聞いていく中で成績の話になり、オール3あれば成績面は問題ないという話だったので、最低でもオール3という目標を立てました。
2つ目の理由は、入会説明会の時に福田代表から「ジュニアユースに入れるということは運動能力がある訳で、体育の成績に関しては人間性が評価になる」という言葉を聞いて決めました。

三郷ジュニアユースではまず人としての在り方を学びました。私たちの時はマナーアッププロジェクト(現6箇条)という名前で、基本的には今のものと変わりがないが、挨拶、身なり、最後ボールなどを徹底されました。そういった事が自然と身につき、高校、大学と今後のサッカー人生に活かされたのは間違いありません。もっと言えば社会人になっても三郷ジュニアユースでのマナーアップの部分が活かされるシーンがいくつもありました。
あとはサッカーに対する気持ちをより強くさせてくれたのも三郷ジュニアユースでした。私達の代は選手も集まっていて、能力の高い選手達ばかりでした。練習からみんなが刺激し合い、少し手を抜こうものなら追い越されそうな緊張感を持ちながら特に1年生の時は過ごしていました。定期的にあるフォスターリーグで強いチームとやった時に自分は出られず、チームは勝つ事があり、その悔しさや危機感がものすごくあり、自主トレをやるきっかけとなりました。課題を見つけるために毎日ノートも書くようになったし、自己分析や試合をたくさん観るようになったのもこの頃からです。活動前に時間があればプリンスリーグなどを観に行き高校の最高峰のレベルを肌で感じに行ったりしていました。そうする事で自然と自分の中でサッカーというものが整理できるようになりました。
そんな中、1年生が終わる時期にトレセンから落とされました。挫折と言えば挫折かもしれません。悔しい気持ちはありましたが同時に絶対見返して、再び呼ばれた時に断ってやろうと決めました。そのあとすぐに福田代表がトレセンの担当コーチのチームとゲームを組んでくれて、F Wで出させてもらい、ハットトリックを決めました。

2年生の時は、3年生に上げてもらう事ができました。最初はスピード、体格で圧倒されてしまい、ついていくのでいっぱいいっぱいでしたが、慣れ始め自分の良さの活かし方などが分かってきて試合に出してもらえるようになりました。そんな中で関東大会に出させてもらえたことはかなり大きかったと思います。1回戦負けでしたが、前日の緊張感のある練習や前泊などはすごくいい経験になりました。また、関東には強いチーム、上手い選手がまだまだいることを痛感しました。
夏のJヴィレッジ合宿で尚志高校とゲームをする機会があり、そのゲーム後にお誘いをいただきました。そこが私のターニングポイントになります。まだ2年生でしたが、声をかけてもらえた事で自信にも繋がり、レベルの高いJユースを目指そうと思いました。そこからは目標を明確にし、武器であった左足のキックとヘディングで戦っていくと決め、ギアを入れ替え毎日ひたすら練習に取り組みました。U-14のトップリーグに所属していましたが、準優勝という結果に終わり、チームとしてももう少し変わらなければと思った年でした。

3年生の時は日本クラブユースはあと一歩のところで負けてしまい、高円宮杯も予選敗退、U-15トップリーグ準優勝、クラブ選手権3位でした。埼玉の頂点を取る事もできず、関東にリベンジする事もできずという悔しい結果となりました。その要因としては、ここぞという時の勝負強さやチームとしてみんなが同じ方向を向けていなかった事、メンタル面の弱さなどが要因だった思います。もっと練習からバチバチやることや、走りの部分、個々の技術アップ、チームとして一体感を持ち自信を持って試合ができていれば結果も変わっていたのかなと今思います。

進路に関しては、学校の進路面談の時に私は浦和レッズユースに行きます。と言いました。その時の担任の先生は馬鹿にしたように鼻で笑ったのを覚えています。その場に一緒にいた父と必ず見返そうと決心しました。ちなみにJユースがダメであれば海外に留学するという覚悟でした。(実は、レッズユースからは中3の春に誘いがあったようでした。)
一方三郷ジュニアユースの進路面談は、自分の意志を尊重してくれて、真摯に向き合ってくれました。そこから受験する高校を偏差値など見ながら一緒に考えていただいたり、すごく面倒を見てもらいました。

現在の選手達に伝えたいことは、この3年間で良くなるのも、腐って悪くなるのも全て自分次第です。いろいろな誘惑もあるだろうけど、ブラさず目標をしっかり持ち、今自分が何をしなければならないのかを明確にすることで正しい方向に進んでいけるかと思います。
サッカーを中心に生活すると、色々なことの判断がしやすいです。勉強が苦手でも、目標の高校にいくために頑張る事。将来プロサッカー選手になることを考えると、インタビューに答える時は国語力が必要だし、海外に行くのであれば英語は必須だし。そういったことを考えると勉強にも取り組めます。食事、睡眠もコンディションのことを考えれば、粗末にならないはず。そういった意識を常に持つようにしよう。また、後悔しないようにして欲しいです。卒会の時に、3年間充実していてやりきったと思えるようにして欲しいです。
私は後悔ばかりしています。自分たちの代で関東に行けなかった事、優勝が出来なかった事は自分の中で大きく、もっといろいろな事ができた、自分にもっと厳しくできたと今でも思っています。君たちにはそうなって欲しくないので普段から、自分ができることとして今まで経験してきた事を伝えています。
普段のゲーム、トレーニングで常に100%の力を出して行うようにしてください。そうする事で自信を持って大会に挑めるし、たとえ結果が出なかったとしても100%出し切れたのであれば後悔はしないはずです。
最後に三郷ジュニアユースの仲間は一生の宝になります。週の半分以上は会って、合宿では同じ釜の飯を食って一緒に寝て、一緒にきつい事を乗り越えて、勝った喜び、負けた悔しさを分かち合う事で固い絆が生まれます。自分も卒会して14年経ちますが、今でも定期的に会って思い出話をしますし、高校の時はライバルとして刺激し合いモチベーション維持にも繋がりました。仲間を大事にし、切磋琢磨して充実した最高の3年間にしよう。